【天理教の教え】元の理とは?この世界に人間が生まれた理由をわかりやすく解説します

なんのために生まれて なにをして生きるのか

答えられないなんて そんなのはイヤだ

アンパンマンの主題歌にある、有名な言葉です。
最近では、やなせたかしさんをモデルにした朝ドラ『あんぱん』でも、この言葉があらためて注目されていましたね。

しかし、子ども向けのアニメの歌ですが、よくよく考えてみると、とても深い問いではないかと思います。

私たちは普段、「何をして生きるのか?」ということまでは考えても、「何のために生まれてきたのか?」というところまで深く考える機会は、それほど多くありません。

この深い人生の「問い」に対して、私たちが信仰している天理教には「元の理(もとのり)」という、人間創造の神話によって答えが示されています。

そこでこの記事では、天理教の教えの原点となる「元の理」 について、初めての方にも分かるように解説してみたいと思います。

「元の理」とは何か?

天理教では、親神様(おやがみさま)が人間を創られた理由は

人間が「陽気ぐらし(ようきぐらし)」するのを見て、ともに楽しむため

だと教えられています。

「陽気ぐらし」とは、かんたんに言うと「人々が互いにたすけ合い、喜びをもって暮らす世界」のことです。

つまり、

  • 人々が争わず
  • 互いに助け合い
  • 喜びを分かち合って生きる

そんな姿を見て、神様も共に楽しみたいという思し召しから、人間は創られたと説かれています。

はじまりの世界は「泥の海(カオス)」だった

「元の理」の原文についてはこちらのページで紹介していますが、ここには人間が生まれる前の世界について「泥海(どろうみ)」であったという記述があります。

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しかし、その混沌とした泥海(カオス)の中から、親神様は人間創造のために、

  • 夫婦の雛型となる生き物
  • 人間創造の道具となる生き物

を引き寄せられました。

たとえば、

男性の雛型として「うを(魚、山椒魚という説も)」

女性の雛型として「み(白蛇)」

が選ばれ、さらに六種類の生き物が「道具」として引き寄せられます。

これが後に人間の体や自然の働きを守る十全の守護の役割へとつながっていきます。

人間の“種”のモチーフとして「どじょう」が選ばれる

それから親神様は泥海の中にいた無数の「どぢよ(どじょう)」を取り込んで、それを人間の種とされ、

後に人間創造の地点と定められる「ぢば(現在の奈良県天理市)」で、最初の人間が宿し込まれました。

そのことから、天理教にとっての「ぢば」は、全人類にとっての「ふるさと」とされています。

水中から長い年月をかけて現代へ

こうして親神様より生まれた人間は、はじめはとても小さな生き物であったと教えられています。

しかし、生まれ変わりを繰り返しながら、九億九万九千九百九十九年という長い年月をかけて進化してきました。

「元の理」で語られているのは、私たち人間は、

  • 泥海の中から生まれ
  • 水の中で生活する時代から始まり
  • やがて陸上で暮らすようになり
  • 知恵や文字を授かり

今の人間社会へと発展してきたということです。

科学の視点から見ても面白い「元の理」

興味深いことに「元の理」で語られる物語の流れは、
現代の科学が示している生命の進化の歩みとも、どこか重なるように感じられます。

科学で語られる生命の進化は、一般的に

  • 原始の海から原核細胞が生まれ
  • 真核細胞へと進化し、有性生殖ができるようになり
  • 海の生命から陸上の生物へと進化して
  • そして現在の人類へと発展した

と考えられています。

また、生物の進化を説明するダーウィンの『種の起源』が出版されたのは1859年ですが、
教祖が「元の理」をお教えくださったのは、1830年代のことでした。

もちろん、「元の理」は科学理論を説明するものではありません。
しかし、人間の成り立ちを長い時間の流れの中で捉えているという意味では、現代の科学とも重なり合うような、興味深い視点を見ることができますね。

「元の理」が教えている大切なこと

この「元の理」を学ぶうえで大切なのは「人間は皆、同じ親から生まれた兄弟姉妹」ということです。

現在の地球には80億近い人間が住んでいて、様々な人種や民族がいて、文化や生活様式などに違いがあります。

でも、「元の理」によれば、私たちは元をたどれば同じ親神様によって生み出された子どもであり、

「互いに陽気ぐらしするのを見て、ともに楽しみたい」という親の願いが込められているという「共通点」があります。

また、親神様は「ともに」楽しみたいということなので、まずは、

  • 私たちが陽気ぐらしをする
  • それを親神様が楽しむ

という順序になりますね。

私たちの生き方につながる教え

天理教では、これまでに解説したように、

私たちの身体は神様からのかしものであり、

私たちの心の曇りは 八つのほこり

と教えられています。

▼参考記事
「かしもの・かりもの」
https://ayabe-bunkyokai.com/kashimono-karimono/

「八つのほこり」
https://ayabe-bunkyokai.com/eight-dusts/

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そして、こういった教えの根本にあるのが「元の理」=人間創造の親心です。

自分たち人間は、元をたどれば兄弟であり、なにより私たちが互いに助け合って陽気に暮らすことこそが、親神様のなによりの願いである、という教えに触れれば、自然と、

「人に優しくしよう」
「助け合って生きていこう」

という気持ちが生まれてくると思います。

それが、天理教団の目指す陽気ぐらしへの歩みなのです。

まとめ

人は皆、同じ親から生まれた兄弟姉妹。

その心を思い出すとき、私たちの暮らしの中にも、少しずつ陽気ぐらしのイメージが広がっていくのではないでしょうか。

これからも、このブログを通して、日々の暮らしの中で生かせる天理教の教えを、分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

それでは。

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この記事を書いた人

桑原 信司のアバター 桑原 信司 後継者

天理教綾部分教会の後継者です。信者の皆さんや、地域の方々の心が明るくなるような信仰拠点を目指して、日々歩んでいます。
二児の父親。粒あんとコーヒーが好きです。